王将は座して動かず。真の起業家はリスクを0に近づける。

起業家はリスクを取るのか?

答えは、

リスクを取っている人は大してうまくいっていない。

なのではないでしょうか?

リスクを0に近づけるのが経営の基本。

リスクを取る癖をなくせば時間の経過とともにトップに躍り出る。

なぜかというと、ビジネスの世界はゴールがない長距離マラソンのようなものだからです。

少ない力で走り続けた人が勝つ。

そうやって時間に仕事をさせることができる組織が勝ちます。

どんなに途中全速力で1番を取っていても、転んで怪我をすればそこで試合が終わってしまう。

ビジネスにおける競争は、ゴールすることではなく、走り続けること。

経営用語で言えば、企業はGoing concern valueが前提となる。

Going concern valueとは、継続価値という意味で、

無期限に継続することを価値とみなす前提がそもそも法人にはあるということだ。(自然人は死ぬ、法人は死なない

反義語はliquidation value

liquidation valueとは、清算価値という意味で、いますぐに企業を解散した時に資産がいくら残るか?ということ。

企業は清算を前提に運営されるものではなく、無期限経営を前提に運営されるものだということだ。(当たり前のことだが)

つまり、リスクを取る癖をなくせば時間の経過とともにトップに躍り出る。

それがわかっていれば、朝から晩まで残業して、無理難題を解き続けることに意味がないことが簡単にわかる。

企業はそもそも永続性を前提にするものであるから、

限られた資産をもっとも重要な一点に集中させ、永続させるのが当たり前なのだ。

したがって、企業の経営は抑制の効いた、フォーカスが効いた事業であるべきである。

そもそも事業ラインの拡大は法人という生き物の性質に反している。

マイクロソフトは未だに自分たちのことをグローバルニッチと呼んでいるし、アップルはせいぜい5点くらいしか製品ラインナップがないのに、世界一の時価総額を持つ企業になっている。

企業の本質はニッチであり、常にトレードオフを求められるのが経営だ。

なんでもできるけれども、あえて一番大切と感じ、一番得意と感じていることしかしないのが基本だ。

歴史的に優位性を持つ事業立地を確保できたとき、それが他社から見たEconomic moat(参入障壁)となる。

どんなに資産を持っていても、全力を一点に尽くしている零細企業にかなわないのが世の常だ。

(例えば江戸前寿司のカテゴリーでマクドナルドはすきやばし次郎には勝てない。当たり前だが。)

目の前の川に有料の橋がかかっていて、あなたが泳いだり舟を漕いで川を渡りたくなければ、料金を払って橋を渡るしかないだろう。
したがって、この橋を所有している人は、一種の独占的地位にあると考えていい。

独占禁止法に、抵触しない限りで独占市場を、形成していくのが事業の基本。

医師や弁護士が歴史的に形成されてきたのと同様に、あらたな業務独占資格を作り上げる。

業務独占資格を形成した業界リーダーには価格決定力が生まれる。

たとえば絵画市場の成立に貢献したピカソは自分の絵の値段を自分で釣り上げることができた。

グローバルブランド首位の企業は業務独占資格を作ってきた企業だ。

アップル、グーグル、コカコーラ、マイクロソフト。全て他社が追随したいほどの独自の経済圏を生み出している。

時価総額上位も顔ぶれはほぼ同じだ。

アップル、グーグル、マイクロソフト、アマゾン、バークシャーハサウェイ、フェイスブック。

時価総額とブランド価値にはある程度相関関係がある。

業務独占資格を作り上げ、市場参加者を集め、王将は座して動かず。ただひたすら統制の効いた一つのカテゴリーを極め続ける。

人は価値が高まるとき、シンプルになるのでしょう。

自分がよく知っている一握りのことにしか手を出さないとき、

その人はそのことを「リスクを取る」とは言わないでしょう。

賞味期限が1週間後の牛乳を今日の朝飲むとき、リスクを取ると言うでしょうか?

人はよく知っているものに手を出すとき、それをリスクとは呼びません。

一本に絞っている人は周りから見ると危うく見えます。

「リスクを分散しているほうが安心」という錯覚を持つ人のほうが多いでしょう。

しかしそれは真逆で、人間は多くのことを認識できないというのが脳の基本だとしたら、

自分の得意でないことを全て削ぎ落とすことは、リスクを限りなく0に近づけるのと同じ意味で、それ自体に価値がある生き方なのだと思います。

「リスクをゼロに近づけ、いつまでも生き延びること」

それが起業家のルールだとしたら、時代の変化にともなって枝葉の調整はしたとしても、本質は軸からぶれず、『座して動かず』の精神が重要なのではないでしょうか。

王将 将棋

The following two tabs change content below.