毎朝の作業に宿った魂

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いつものように東西線に乗っていたある朝のおはなし。

最近吊り革を掴みながら立ったまま寝れるようになったのですが、

うとうとしながら見た光景がとても趣深いものだったことを覚えています。

目の前に座っていた彼は電車に揺られて仕事に向かう冴えないサラリーマン。(おそらく40代後半)

眼鏡をかけていて白髪まじりの髪の毛はだらしなくのびている。
スーツの上に灰色のジャンパーをきていていかにもオッサン風でぱっとしない。
さらに彼は朝寝坊をしたようで、髪の毛もぼさぼさで、ネクタイをしていませんでした。

眠い目をうっすら開けた僕がぼーっと眺める前で彼はおもむろにかばんからネクタイを取り出し、首にかけ、むすび始めました。

・・・そこには感動がありました。

冴えないサラリーマンのその造作には美しさがありました。

たとえば優れた書家がすずりで墨を擦り、その墨に筆を浸し、紙に持って行くあの静かな間。

たとえば、穏やかな茶会にて茶を立てる人が足音をひそめて茶室に茶道具を持ちいれ、開き、静かに抹茶を点てるあの造作

たとえば、歴史的なメジャーリーガーがバッターボックスに入り、右腕の袖をまくり、先を見据え、集中状態に入りこむ、緊張感を持ったひと時。

両手に持ったネクタイを首にまわし、決まった位置で交差させ、結び目を作り、鏡も見ずに最適な位置に長さを調節し、ジャケットの内側にいれ、ボタンを閉める。

そこにはムダな動作がひとつもありませんでした。

その姿は美しく、なにより自信に満ちあふれていました。

長年の反復により体に染み込み、効率化され、洗練された造作がそこにはあったんです。

何気ない毎日の作業。

きっと彼にとってのこだわり、愛情、誇りがそこには詰まっていたのでしょう。

その作業には魂が宿っていました。

その姿に僕は一瞬心を奪われました。

歴史的な造作の瞬間に無防備に立ち会い、

続けること、極めることの美しさを肌で感じたある日の朝でした。

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ヘルスィーTANA☆AKK

ヘルスィーTANA☆AKK

タナーク株式会社/代表取締役社長売上UP実績はこちら
趣味:呼吸。住所:地球。企業顧問を常時10社以上こなす体を緩める起業家。プロフィール・会社概要はこちら
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