コンテナ物語―世界を変えたのは「箱」の発明だった

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ワクワクする本を読んだ。

何気ない発見が世界の陸海運輸送業の構造を変えたという。

その昔、船による輸送は人力で行われていた

世界陸海運送業のパラダイムシフトはあるマルコム・マクリーンというあるトラック運転手の気付きから始まった。

マルコム・マクリーン

その昔、船荷は人力で船に乗せられていたそうだ。

船が港に着くたび、大量の運び屋がごった返していた。

China, Tsingtau. Chinesische Dockarbeiter

もちろん管理なんて行き届かないから、盗難が日常茶飯事だったそうだ。

1コンテナ

マルコム・マクリーンは、船が着くたびに長時間渋滞を待たないといけないという苛立ちからあるアイデアを思いついた。

運送の規格を標準化すれば、長時間渋滞を待つ必要もないではないかと。

この「箱」の発明が世界の仕組みを変えた。

コンテナ物語

現在ではコンテナとクレーンが巨大タンカーに荷物を積んでいる。

3コンテナ港

コンテナの発明による世界経済へのインパクト

コンテナ革命は、全ての専門家、企業、業界関係者の予想を覆して世界の輸送構造を変えた。

59年に米専門家は、コンテナの導入でニューヨーク港の労働者は30%削減されるだろうと警告した。

蓋をあけてみると、63~76年でニューヨーク市の港湾労働者は75%が姿を消した

航路の変更と国際拠点港湾の変遷

コンテナに対応した香港、上海、シンガポールといったアジアの港が台頭した。

コンテナターミナルシンガポール

米国内でもロサンゼルス港はコンテナリゼーションに対応したが、

ニューヨーク港とサンフランシスコ港はコンテナリゼーションを無視し、在来船を想定した港の改修に何億ドルも無駄にし、工事が終わらないうちに時代遅れになってしまった

港は海上港になり、コンテナ用の超巨大船に対応した港が強くなった。

コンテナと一般貨物を一緒に運ぼうとか、旅客も一緒に乗せようなどと考えた船会社はコンテナのメリットを生かせずに敗れ去っている。

運送コストの劇的変化

運送コストは50分の1以下にまで下がった。

スマートフォンをアメリカでデザインし、中国で開発し、日本で販売するというようなグローバルな生産体制が取れるようになったのも、コンテナ化のおかげである。

ティッピングポイントはベトナム戦争だった

アメリカで始まったコンテナ輸送の仕組みは単なる輸送手段の一種として始まり、輸送革命を起こすとは誰も考えていなかった。

トラック運送業界はコンテナを無視し、鉄道はあからさまに拒絶した。

流れが変わったのはベトナム戦争だった。

54万人の兵士に安全に確実に物資を供給できたのはコンテナのおかげで、

コンテナがなければコストの問題や盗難の問題で物資や装備を届けられなかった。

「コンテナの全面活用を念頭に設計されたロジスティックスシステムで使われてはじめて、コンテナの効果は最大化される」ことが世界中に認識された。

覇権争いを制したのは後発組だった

20年間で世界の90%の港がコンテナに対応し、対応できない港は多額の損失をこうむった。

面白かったのが、業界を収めたのは、1973年に一番最初にコンテナ船を開発した人ではなく、

17年後に資金調達と情報技術を駆使したデンマークのマースクが世界シェアを取った。

「箱」をめぐった新旧ステイクホルダーの対応がありありと描かれたドキュメンタリー

パラダイムシフトが起こるときの兆候や、それに伴うステイクホルダーの対応、失敗と成功。

変化に対応して一気にのし上がった港や、企業がある一方で、

業界が変化しているにもかかわらず、慣習から抜けられずに投資を続け、落ちぶれていった港や企業。

今の暮らしの中にもきっと、コンテナのようにパラダイムシフトを起こす種が眠っているのだろう。

変革を起こすためのヒントがたくさんつまった一冊だ。

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ヘルスィーTANA☆AKK

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