部屋を借りるときに不動産トラブルを避けるための7つのチェックポイント

不動産は比較的大きなお金のやり取りをするにも関わらず、

借りる側と貸す側の情報量の非対称性がとても大きい取引形態です。

それを良いことに、敷金を返還しなかったり、不当な原状回復費用を請求する不動産業者も少なくありません。

この記事では不動産を借りるときに気をつけておかないと、後で痛い目に合うかもしれない項目をまとめます。

①消費税別表記している不動産業者には注意

たとえば、インターネットに掲載されている物件要項に消費税別の表記をしており、契約書を見せられるまで、税抜価格だということがわからなくなっていることがあります。

このような業者は、あらゆる場面で、なるべく値段が低く見えるように見せ、

交渉の最終段階で追加金額を提示してくる癖があるかもしれません。

たとえば、契約時になって、鍵交換費用や、退出時のハウスクリーニング費用を請求されたり、

退出時になって、原状回復費用を不当に請求されたりという可能性があります。

商慣習上は税込み表示が一般的です。

税抜き表示をしている不動産業者には、

なんらかの理由があるということです。

②クリーニングが終わっていない物件には注意

内見のときにクリーニングが入っておらず、契約が終わってからクリーニングをするという業者がたまにいます。

しかし、これは完全に赤信号です。

契約が終わってからだと、ほぼ要望は通らないと思ってください。

換気扇や排水溝の汚れや水周りのカビなど、

入居前であれば、契約をしてもらうために業者も頑張りますが、

入居後はとにかくコストを削減しようとしてきます。

入居前であれば、古くなったエアコンの交換や、壁のクロスの交換、床の修繕等の要望が通る可能性ありますが、

入居後は難しいと思ったほうがよいでしょう。

最悪の場合は、入居日にクリーニングが終わっていないこともあります。

③クリーニングが期日どおり終わらない不動産業者には注意

②と似たパターンで、契約前に、○月○日までにクリーニングを終わらせてくださいとお願いしたのに、

業者がクリーニングを約束の期日どおりに終わらせていない場合があります。

この場合は、業者間のコミュニケーションがうまくいっていない可能性があるので、

慎重に契約を進めたほうが良いです。

④契約前に家賃の振込みを要求してくる管理会社には注意

クリーニングを終わらせない業者に多いパターンですが、

契約書を締結する前に家賃の振込みを要求してくる場合があります。

しかも、当たり前のように要求してくるので、

不動産の賃貸契約に慣れていないと、先に振り込んでしまったりします。

先にお金を振り込んでしまうと、不動産業者が有利になってしまい、

契約書文面の変更等もあまり融通が利かなくなります。

家賃の振込みは、必ず【契約後】にしましょう。

⑤担当者がしょっちゅう辞めて、人が変わっている管理会社には注意

これは最初はわかりにくいかもしれませんが、悪徳不動産かどうかを調べるには、担当者が長年働いているか?も重要です。

半年や1年で担当者がコロコロ変わるところは問題ありです。

⑥管理会社と物件のオーナー会社が同じ会社の場合は要注意

契約時に契約書を見てみると、物件のオーナーと管理会社が同じ代表取締役のことがあります。

自社で管理している物件だから安いと思いきや、

敷金礼金をしっかり取り、さらに仲介手数料もとります。

オーナーと管理会社が同一なので、二重取りしているということです。

最近だと仲介手数料を無料にする管理会社も多いので、面倒くさがらずに相見積を取りましょう。

⑦契約書に不利な条件が記載されている場合は注意

契約書には原状回復の負担区分が記載されていると思いますが、

原状回復工事に関して、敷金を返還しない賃貸人や、賃借人が傷をつけた、つけないの言い争いが絶えず、

国土交通省はこの件に関して「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」を発行しています。

http://www.mlit.go.jp/common/001016469.pdf

たとえば、「冷蔵庫裏の壁についた黒ずみは経年劣化の対象になり、

賃借人が原状回復費用を払う必要はない」

など、原状回復費用の負担区分のガイドラインが定められています。

「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」は賃貸契約をする人は一度は目を通しておいたほうが良いでしょう。

このガイドラインに反するような契約書を作ってくる業者には注意です。

⑧入居時には写真を撮り、保存しておくこと

入居時からあった傷の現状回復費用を退去時に請求されることもあります。

入居時には傷の写真をしっかりと撮って、なにか起こったときの証拠になるよう、データに収めておきましょう。

対策:不動産の賃貸契約時に気をつける7つの項目

①費用をきちんと確認する(賃料、管理費、消費税、更新料、退去時クリーニング費用、鍵交換費用、保証料、税抜or税込等)

②契約前に賃料を振り込まない(※基本的ですが、これ重要)

③入居時に傷確認をしておく(合意書を取っておくのが理想)

④入居時の傷やよごれを隅々まで写真におさめる(面倒くさがらずにやっておくのが重要。床、壁、天井、カビやサビ等)

⑤「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」を確認する

http://www.mlit.go.jp/common/001016469.pdf

⑥契約書はしっかり隅々まで目を通し、「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」と見比べる

※○月○日までに引っ越さないと!と思っていると、深く考えずにはんこを押してしまいがちなので、要注意です。

⑦クリーニングや備品の取替え、その他要求事項は「契約前」に伝える

契約後は、相手が言うことを聞く動機とメリットがなくなります。

良い人そうだから・・・は要注意

悪徳かどうかは、表面ではわかりません。

担当者が良い人そうとか、優しそうだから大丈夫というわけではありません。

若い担当者、フレッシュな担当者は、上司に言われるがまま悪意なく、借り手に不利なことを要求してきます。

また、不動産業者の免許の更新回数が多かったり、長年営業しているからといって、信頼できるというわけでもありません。

しっかり、金額、契約を確認し、一つ一つ取り決めをしていきましょう。

ここまでしっかりプロセスを踏んでいれば、もしもの場合も優位に話が進みます。

トラブルが起こった【後の】法律相談の無力さ

問題は起こる前に対処しておく必要があります。

問題が起こってから対応しても、根本的な解決につながるわけではありません。

たとえば、保証金返還請求を弁護士に相談しようとすれば、返ってくる保証金よりも弁護士費用のほうが高くつきます。

弁護士費用は着手時8%、成功報酬16%

参考までに弁護士費用がどのくらいかかるのかというと、

たとえば30万円取り返したければ、着手金24,000円、成功報酬48,000円です。

参考:(旧)日本弁護士連合会報酬等基準

これは弁護士費用なので、そのほかにも、裁判所に支払う手数料や印紙代が数万円かかります。訴訟額が増えるほど、金額が増えます。

参考:裁判所ホームページ|手数料額早見表

訴訟が始まっても、証拠が充実していなければ主張は認められない

訴訟が始まると、主張を裏付ける証拠を提出する必要があります。

入居時の写真や、メール、文書、電話の録音等を提出するわけですが、

そもそも、【入居時】にこれらの書類を揃えておかないといけないのです。

大抵の場合、証拠不十分になってしまいます。

裁判に勝っても、お金が支払われるかは全く別問題

裁判は1年以上かかることもあります。

健闘の末、勝訴しても、裁判所が出せるのは勝訴の手紙一枚です。裁判所は支払ったお金を取り立ててはくれません。

相手がお金を支払うかどうかは相手の意思次第です。

相手が自主的に支払わなければ、財産を差し押さえないといけません。

差し押さえにも、またお金がかかる

差し押さえを弁護士に頼むと、また弁護士費用がかかります。

差し押さえするためには相手の銀行口座の支店名まで調べないといけないですし、資産を隠されると差し押さえられません。

民事裁判に勝って、強制執行まで済ませたとしても、お金が戻ってくる保証はないということです。

結局泣き寝入りすることが多い

多くの場合、訴訟費用を払って、長期間の裁判をこなし、結局1円も取れず、弁護士費用だけ払うという悲しい現象が起きます。

このような手続きの煩雑さから、借り手側が泣き寝入りするしかないということも、不動産トラブルが絶えない原因です。

必要な行動を【事前に】取り、トラブルを【未然に】防ぐことが重要

無知で損をするのは、大抵が立場の弱い側です。

新居探しのワクワク感の裏側に、悲しい結末が待っていることがないように、

正しい知識を把握し、必要なアクションを【事前に】取り、トラブルを【未然に】防ぐことが重要でしょう。