この木なんの木

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今日はシドニーからの来客。パレスホテルでお茶をしたあと、しばらく皇居周りを散歩した。

北の丸公園を抜けて、武道館に差し掛かり、

Tubeのライブがやっているのを見て、夏を感じる。

Tubeって最近聞かないけど、いまだにがんばってるんだな、と歩きながら思った。

武道館の隣に江戸城の北門がある。

550年ほど前。江戸時代に、太田道灌が築城した江戸城。

北門の上に、高台がある。

鎮魂の社が立っていて、木々に囲まれた静かな場所だ。

武道館はTubeのファンだらけだが、この高台にはだれもいない。

そこに、涙を流したように枝の一部が大きく垂れ下がっている木がある。

名前も知らない木。

とてもでっかい幹で、表面はかさかさ。樹齢で言うと500年は越えているのではないかといったところ

江戸城が築城される前からある。

かなりのお歳だが、幹の間に新しい枝と若葉が生えている

訳知り顔で、ひっそりと、

でもすさまじい存在感で、その場所にたたずんでいる。

あたりを見回し、立て札を見ると、

ここは関東大震災のときに、当時摂政だった昭和天皇が、

大震災の影響を眺めるために昇った高台だそうだ。

靖国神社を見下ろすようにその高台は存在している。

その古い大木は人の悲しみや苦しみを全て見てきて、涙も枯れてしまったかのような、乾燥した褐色の姿をしている。

その木に触れながら、高台から、木の枝と若葉のスキマから東京の街を眺めた。

木の葉っぱが邪魔になって、あまり景色が見えないが、

静かな空気に、カンッ、カンッ!っと、建設中のビルの工事の音が聞こえる。

武道館は人だらけで騒がしいのに、この場所だけはだれも人がいない。

しーんと静まった空間に、カンッ、カンッ!っという音が妙に心地よく響いてくる。

その古木に触れながら、カンッ、カンッ!っという音に聞き入っていたとき、

記憶を失うような、時空を越えるような感覚があった

そこは、関東大震災の延焼で焼け野原になった東京

なにもなくなってしまい、東京遷都まで話にあがった頃の東京。

当時の昭和天皇がこの高台から街を眺めた。

抗うことのできない自然の摂理に蹂躙され、うなだれ、悲しみながら

人は、それでも立ち上がり、なにもないところから、トンカチをカンッ、カンッ!っと、掘っ立て小屋を建て始めた

それを見て、昭和天皇は何を思ったのだろうか?

そこは戦後の東京。

東京大空襲で焼け野原になった東京

でもそんな何もない焼け野原で、途方にくれながら、

自分たちが新しい東京を創るという責任を感じ、ゼロから街を作ろうとした人たち

親族をなくした人もいるが、元気に明るく振舞って、汗水たらしてひとつひとつ作り上げた。

カンッ、カンッ!っとコンクリートやレンガのビルを建てている

そこは、江戸城が建設されている頃の東京。

太田道灌は当時幼かった徳川家康を連れて、

この場所から江戸の沼と森の世界を眺めさせていたのだろうか。

この土地から、天下を取ろうじゃないか!と。

カンッ、カンッ!っと、木と石で出来た江戸城の北門を、金槌でたたく音が聞こえる

今日、眺めていた、東京の街というのは、

ビルがそびえたち、雑多、雑居のように見えるけど

一つ一つの建物を作る石や木材は、

建てた人達の真剣なまなざしを覚えている

決して中途半端な気持ちで建てたわけじゃない

ゼロから、これから、自分が作り上げていくんだ。

そんな強い信念を持った人がこの街を作り上げてきた。

そしてその想いは

お父さんが家族を養うために意気込む気持ち

お母さんが子の活躍を願う気持ち

おじいちゃんが孫の繁栄を祈る気持ち

子が両親の幸せを願う気持ち

孫がおじいちゃんの長生きを祈る気持ち

友人の旅立ちを祝福する気持ちや、新天地での成功を誠心誠意祈る気持ち

そんな1つ1つの

人と人の間に生まれた、素直で純粋な祈りや願いから始まったはずだ

そんな祈りを持ちながら、

常にやるか、やらないか?の二択にぶち当たり、

理想と現実の葛藤の中で、常に、ひとつの選択肢を選んで来た結果が、東京という街だ

すべてを2択によって解決することは難しい。

葛藤のなかで、いまの形がある。

葛藤の中で、血をたぎらせながら生み出してきた、その形。

それが雑多で雑居の東京という街だ

制度だって、完璧からは、ほど遠い

でも、だからと言って、

文句を言ったり、

愚痴を言ったり、

批判してみたり、

誰かの足を引っ張ったり、

誰かを評価して偉くなってみたり、

知識をひけらかしたり、

そんなことをする必要はあるだろうか?

2択を迫られ、正解がどちらか分からないなか悩み、

ただ前に一歩一歩進み、もがき、ぶちあけてきた、

先人たちの通った道の上で、僕は過ごしている。

生まれてからこれまで、その道を通って、既にたくさんの感動を届けてもらっている。

祈りと願いが形になった、この豊かな今を、悲観する必要があるだろうか?

純粋な動機から始まった、不完全な現実を、否定する必要があるだろうか?

いつまでも悲しみに暮れている必要はない。

過去を否定する必要もない。

なにを差し置いてもただ1つ、できること。すべきこと。やりたいこと。

それは、

これからもこの祈りが、

矛盾をはらみながらも少しずつ、

進化していくのを次の自分が高台から見届けられるよう、

今という壁をぶち破り続けることだ。

全身全霊で汗をかいていこうじゃないか。

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ヘルスィーTANA☆AKK

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